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遺伝子療法(いでんしりょうほう)

細胞蘇生特攻タンパク療法
ガンという悪い魔法から目を覚ます!
細胞蘇生特攻タンパクを用いた『細胞蘇生特攻タンパク療法(CDC6治療)』を理解するには、まずガンのウイルス療法から入門しましょう。
 
先進的なガン治療の一つに、ウイルス療法があります。ウイルスは様々な病気を引き起こす原因ですが、上手に利用するとガンを効率よく攻撃できます。細胞を殺傷する能力のあるアデノウイルスやヘルペスウイルスをガン細胞にだけ選んで感染させる治療法です。この際、ウイルスを人工的に改良します。一つは、遺伝子技術でウイルスがガン細胞だけに感染するよう改良する。もう一つは、先端技術でウイルスがガン細胞でのみ活性化(転写)されるように改良する。
 
他にも、ガン細胞への従来の抗ガン剤の反応を高めるタンパクをウイルスに組み込ませる、ガン細胞の中で無害な化学物質を強い毒性を持ったものに変化させる酵素を作り出すタンパクをウイルスに組み込ませる、といった方法も考案されています。 (参照:ウイルス療法)
 
細胞蘇生特攻タンパク(CDC6治療)は、このようなウイルスの利用法とはちがいます。しかし、ガン細胞を殺す中心的な役割を担うのは、あるウイルスを分解したタンパクです。それに加え、ガン細胞を探し当てるセンサー的役目のタンパク、ガン細胞の中心部まで侵入させるためタンパク、ガン細胞の中で殺傷能力のあるタンパクを一気に増やすための酵素などを複合的に合成しています。
 
つまり、いろいろなタンパク(細胞の働きを決定するもの)を利用して、ガン細胞だけを最も効率よく死滅させるオリジナルの兵器を作り上げたのです。
 
それらのタンパクの共同作業によるガン細胞を死滅させるイメージは、映画スターウォーズで戦闘機が敵の本隊であるデススターの中心部に侵入して破壊することを想像してもらうといいです。強固なデススターの外側をいくら攻撃しても、デススターの進撃は食い止めれません。核となる部分を破壊することで、機能が停止します。細胞蘇生特攻タンパクもこれと同じように、ガン細胞の核の遺伝情報を攻撃します。それによってガン細胞は動きが止まり、自らが正常な細胞と同じようにアポトーシス(自死)もしていきます。細胞蘇生特攻タンパクに接触したガン細胞は、悪い魔法使いにかけられた魔法から目がさめて、元の善人の心を取り戻す。そんな強くもあり、また、優しい療法なのです