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活性NK細胞療法(かっせいえぬけーさいぼうりょうほう)

自分の免疫細胞を10人力、30人力にパワーアップしてガンと闘う!
【活性NK細胞療法とは】
 
私たち人体が持っているリンパ球(血液のなかの成分)中のNK細胞(ナチュラルキラー細胞)は、いわば善良な市民を悪者から守ってくれる『警察官』に例えることができます。体の外から侵入してくる悪者(カゼやインフルエンザのウイルスなど)、体の内側で悪者になってしまうもの(ガンなど)を、悪さをしないように見つけ出して、退治する(免疫の働き)重要な任務を担っています。
 
活性NK細胞療法は、人の体がもともと持っている素晴らしい免疫という治癒システムを最大に強化し、ガン細胞と闘わせるという療法として大変注目されています。リンパ球を用いた免疫細胞療法は、すでに大学病院などで数十年にわたって研究、また、医療として行われてきた実績もあり、厚生労働省の高度先進医療の認可を受けている大学病院もすでに十数か所あります。現在、民間医療機関でのガン治療方法として確立されつつあります。
 
【どのようにNK細胞を活性するか?】
 
患者さんから血液を40ccほど採取し、科学的な培養技術で刺激、活性化、約2週間無菌状態で、約10~30億個のNK細胞を増殖させ、再び静脈から患者さんの体内へ戻すという方法で行っています。1回に投与する量は患者さんの状況により異なりますが、約10~30億個のNK細胞量(T細胞を含む)で、一般的に計算すると健康な人が持っているNK細胞量の約 10~30倍で、約10~30人分に相当しています(一人の体内を循環する血液量は約4~5リットルで、NK細胞量は約1億個です。)
 

【活性NK細胞療法の特徴】
 
(1)この療法による副作用は、基本的にはありません。
 
(2)ご自分の血液中のNK細胞数を増やして活性化したものを戻すわけですから、異物(敵)ではありません。安全性に関しては何重にもチェックを行っています。
 
(3)時に、発熱と悪寒に伴う震えがあります。 個人差はありますが、その場合の発熱は1日から2日間続くことがあります。 その原因は、免疫機能が急激に活性化されるからだと考えられます。
特に、免疫細胞から放出される生理活性物質のひとつであるサイトカインなどが大量に放出されることにより、体内の免疫機能が急激に活性化され、発熱と悪寒による震えが生じます。風邪をひいたときなどは、発熱や悪寒を生じますが、これは体に備わる一種の防御反応です。体温上昇によって、体の免疫機能を活性化しようとするのです。 要は、免疫活性が低い状態から急激に高い状態に変化する、そのギャップによってこうした症状がでてくるものと考えられます。
 
【他のガン治療との併用】
 
活性化されたNK細胞は、ガン細胞を打ち破るほどの力を秘めていますが、ガンの進行を遅らせ、患者さんをできるだけ良好な状態を長続きさせる患者さんに優しい療法でもあります。そこで現在、抗ガン剤等と活性NK細胞療法を上手に併用するという考え方が出てきています。活性NK細胞療法は末期ガン専門の治療だという誤解もありますが、手術や放射線治療で発生局所のガンをできるだけ取り除いた後の、全身に散らばった目に見えない微小なガンを活性NK細胞療法で治療して再発の率を下げる、またガンの転移・再発後の早期に活性NK細胞療法を行うという治療例が報告されています。欧米では、3大療法と免疫療法の併用治療を行っている患者さんが80%に達しているともいわれています。

手術・抗ガン剤・放射線といったガンの3大療法でガンが小さくなっても、その状態が一時的では、また転移・再発に悩まされてしまうことになります。そういった意味でも、活性NK細胞療法の意義は大きいでしょう。