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食事療法 玄米食(しょくじりょうほうげんまいしょく)
玄米の食べ方
ガン患者さんで玄米菜食を実践されている方は少なくないでしょう。ガンの患者会でも、玄米菜食を励行されている会があります。厳格な食事療法でなくても、伝統的な和食に準じた玄米菜食は体にイイ感じがしますね。
白米のように胚芽や糠を精製して取り除いてしまうと、ミネラル、ビタミン、食物繊維などの貴重な栄養素が失われてしまいます。玄米は新たな生命の素を宿しており、栄養素のバランスがとれています。
一方、玄米にはフィチン酸(イノシトール6リン酸)が含まれています。フィチン酸は穀類や植物の種子に存在する天然の成分です。フィチン酸の作用は以下のとおりです。
①抗酸化作用・・・活性酸素抑制
②毒素排泄作用・・・体内浄化
③キレート作用・・・ミネラル成分と結合その吸収を阻害する
ガン闘病に玄米食をすすめるのは、①②の作用に期待してのことです。ただし、③の作用のため、玄米食がマイナスに働いてしまうこともあるのです。玄米食でガンを克服した方もいれば、玄米食で元気がなくなる方もいるのは、フィチン酸のプラスとマイナスの作用に因ると思われます。
フィチン酸がミネラルとキレートすると、玄米に含まれているミネラルの吸収を妨げるだけでなく、体内に蓄えたたミネラル分とも結合して体外に排出してしまいます。
では、折角の玄米の良さを活かして、ガン闘病に役立てるにはどうしたらいいか?
一つは、玄米を発芽させることです。完全に発芽させなくとも、発芽モードにすることによってフィターゼという酵素の働きにより、フィチン酸とミネラル成分が独立して吸収されやすくなります。発芽玄米も各種市販されているので、利用するといいでしょう。
もう一つは、玄米を12時間程水に浸しておきますと、フィチン酸のマイナス作用が消えます。
天地の恵みである食物を、丸ごと食べることは生物本来の姿かもしれませんが、現代に生きる我々には食べ方の工夫が求められるようです