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三大健康法(さんだいけんこうほう)

三大健康法
ガン克服、養生にも役立つ!
ここでご紹介する三大健康法は、関西在住の自然医学研究家であるYさんが提唱し実践されている方法です。
ご自分やお身内の方の体験をも踏まえて受け継がれてきた、身体に働きかける健康法です。どんな裏技だろうと私も探りに行きましたところ、「そんだけ~?」 唖然とするほど。あっけないほど。カンタンな方法です。ただし、もちろん、毎日続けること。
 
Yさんは健康であるため、また治療の下支えとして、次の三つの柱を提唱されています。
1.正しい食事
2.適度な運動
3.平穏な心
どれも特別なことではなく、言われてみれば当たり前のことです。多くの病気は、《先天的体質》×《後天的環境》で発症します。
先天的体質は、今盛んに研究されている遺伝子レベルでの問題・・・これは変えれる部分と変えれない部分があるでしょう。一方、後天的環境要因は、変えることができます。自らが気づいて変えれば、変わります。
Yさん自身、24時間仕事漬けのような業界に身を置き、モーレツに仕事をして体を壊し、東洋医学で信じられないような治癒を体験されています。またお身内の方の厳しい病状も、この健康法を基に克服されてきました。
 
そこで、今回ご紹介する三大健康法は、先に記した三つの柱のうち2に相当するものです。
 
【Y氏が提唱、実践されている健康法】
■タップウォーキング
■腹脳呼吸法
■リンパ・按腹マッサージ
 
■歩く ■呼吸 ■マッサージ・・・一見ありふれた健康法ですが、それぞれ特徴があります。
Yさんご本人が「人間医学 2006年6月号 7月号」(人間医学社)で語られていますので、そのまま抜粋します。
 
■タップウォーキング
私は「散歩」と言っておりますが、要は「楽しく歩く」ことです。毎日、一日30分歩いていただきますが、その間に、三つの動作を各3分づつ入れます。
 
一つは、その名のとおり、タップダンスのように足裏を地面にたたき付けるようにして歩く歩行です。砂地のように軟らかい所より、コンクリートのように固い地面を歩く方が刺激が強くなります。これによって足裏のツボが刺激されるとともに、足の筋肉や骨も刺激され、その刺激、振動は骨盤にも伝わります。
 
骨盤の中で、最も重要なのは仙骨です。足から骨盤に伝わった振動は、仙骨から腰椎、胸椎、頚椎を通って蝶形骨(頚椎の上に乗る頭の骨)に伝えられます。この間に脊柱が整えられ、整体が行われます。(中略)
 
毎日30分のウォーキングの中で、このタップを3分間、行います。次いで手を胴に巻きつけるように振って体を回転し(回転振り)、胴をねじる運動を行いながら3分間歩きます。これは腸を軟らかくする内臓運動になり、皮下脂肪や内臓脂肪を減らすのにも役立ちます。
 
そして、もう一つは手漕ぎ運動です。ボートを漕ぐときの要領で、両手を同時に強く手前に引く運動です。首や肩のこりをとるには格好の運動で、四十肩、五十肩にも効果抜群です。
 
この三つの運動をやりながら(計9分)後は普通に、楽しく歩きます。
 
■腹脳呼吸法
東洋古来の健康法に丹田呼吸法というのがあります。これは、臍下丹田に意識を集中して行う呼吸法ですが、初めての人には臍下丹田は分かりにくいと思います。
 
そこで私は、これを分かりやすく改良しました。それは口でゆっくりと(口をすぼめて)息を吐きながら、ただ鳩尾(みぞおち)を引っ込めていくという呼吸法です。鳩尾を引っ込めながら(手を使いません)横隔膜から腸を圧し、臍のあたりまで押し下げていき、息を吐き切ります。吐き切ったら息を肺いっぱいに吸います。そして、ゆっくり長く吐いていきます。これを一度に3回、一日3回を目安に行ないます(何回やってもかまいません)。
 
■リンパ・按腹マッサージ
○リンパマッサージ
リンパは体の免疫の担い手であって、これの流れを促すことは健康を維持し、治療効果を高める上で大切なことです。私たちの体の中で最も大きなリンパ節があるのは鼠径部(足の付け根)と腋下(脇の下)です。時に鼠径部のリンパ節は位置的に腹部のリンパの流れと深い関係があります。
 
リンパ液は表皮の下を循環していますから、私のリンパマッサージでは腹部横腹から鼠径部に向かって、足の付け根のところを「やさしく、さするように」右・左ともにマッサージします(各3分間)。このとき腹部や横腹にチカッとするような痛みがあったら、マッサージは中止して検査をしてください。どこか内臓に炎症を起こしている可能性があります。
 
鼠径部のマッサージが終わったら、次に臍を中心に、腹部を右回りにマッサージします(これも3分間)。
 
○按腹マッサージ
鼠径部のマッサージは下腹部、主に大腸と関わりが深いですが、按腹マッサージは臍の周辺(主に小腸)が中心になります。
 
リンパは皮膚表面を流れているからリンパマッサージは優しく行ないますが、按腹マッサージは少し力を入れてします。これには自分でやる場合と、相手にやってあげる場合とがあります。
 
・自分に対してやる場合
肋骨の下(横隔膜)から臍の周辺まで、腹部の脂肪を取り除く気持ちで、両手でしぼるように揉み柔らげていきます。
 
多くの人が腹(腸)が固くなっているものですが、親指と残りの4本の指とで腹の筋肉をつかみ、両手で腹の中央部をしぼるようにして揉むと、やりやすいでしょう。太っている人ははじめは腹の筋肉を揉みにくいと思いますが、風呂の中でやるとやりやすいです。はじめは一日に3~5回くらい、慣れてきたら10回くらいやってください。
 
・他者に施術してあげる場合
患者さんに按腹マッサージをしてあげる場合は、患者さんは膝を立てて仰向けに寝ます。病気の人は腹が硬くなって、内臓の血流が妨げられているものです(健康な人の中にも硬い人が多くいます)。
 
術者は患者さんの下手に座って(患者にぴたりとくっついて座る)両手のひら(手掌)を患者さんの腹に当て、下から上へ柔らかく、お腹を揉みほぐすように軽くマッサージしてあげます。これも3分間で結構ですが、痛みがあったら中止して原因を調べてください。
 
按腹マッサージを続けて、お腹が柔らかくなってきたら、患者さんは、もう少し力を入れてマッサージしてほしい言うかもしれません。その時は握り拳をつくってマッサージしてもよいでしょう。または、一般のマッサージのように、親指を立ててマッサージしてもよいでしょう。
 
ただ、いきなり強くはやらないで、はじめは優しく、柔らかくマッサージし、お腹が柔らかくなり慣れてきてから、少し力を入れてやるようにしてください。(ここまで抜粋)
 
Yさんの三大健康法は、単なる思いつきや、自己流の運動法ではありません。根幹となる理論は千島学説に依るところが大きい。千島学説は、元岐阜大学教授 故千島喜久男 医学博士が唱えられたものです。(詳しくはhttp://www.chishima.ac/参照)
千島学説は8大原理によって構成されていますが、その内容は現代医学の基盤を覆すほどの医学理論です。
 
8大原理の一つ「腸造血理論」は、現代医学が「血液は骨髄でつくられる」としているのに対し、千島理論では「血液は腸管でつくられる」としています。Yさんは、この腸造血理論を基に腹部を中心に考えた健康法を実践されているのです。腹部の状態を良くすることが、きれいな血液を生成し全身に循環させる基本になる。この基本がしっかり整えば、病気の予防、ひいては重い病状も回復の余地が生まれると信じておられます。実際に余命を宣告されたような病状の方が快復されたケースもあります。
 
私は個人的には、この健康法に対し敬意を表せざるを得ません。それは、Yさんの実績もさることながら、千島学説を基礎とする胃腸という部位のケアは、数千年継承されて今もなお色褪せることのない中国医学 漢方の理論と合致するからです。
 
漢方では、五臓(肝・心・脾・肺・腎)六腑(五臓関連組織)の健全な働きによって健康が保たれる、と考えます。それぞれが相互に関連しあって、様々な人体の機能を動かすのです。漢方理論では「気(き)」が「水穀の精微(すいこくのせいび)」を主たる素材として血(人体の各器官を滋養する栄養素を豊富に含んだものと定義されている=ほぼ現代の血液の概念に一致している)をつくると考えます。この水穀の精微は、飲食物から不要なモノを取り除いた人体に有用な物質を意味します。飲んだり食べたりしたものを適切に糞尿と水穀の精微に分別するのは、五臓のうちの「脾(ひ)」の役目です。漢方の「脾」は現代医学の脾臓でなく、「腸」のことです。血をつくるにあたって主役となる臓器は、漢方でも「腸」なのです。
 
貧血の治療では、現代医学では一般的に鉄剤がお薬として処方されます。赤血球の材料(厳密には鉄だけが材料ではありませんが)としての鉄を服用して治療するわけです。一方、漢方では鉄剤に相当する漢方薬があります。四物湯(しもつとう)という漢方薬です。ところが慢性的な貧血治療に、四物湯だけ処方することはありません。なぜなら、材料だけ入れても、それを活用して血液に変化させる能力が不足しているから貧血が起きる、と漢方では考えるのです。従って、四物湯に四君子湯(しくんしとう)を足した八珍湯(はっちんとう)が処方されます。四君子湯は気を補う代表的な漢方処方ですが、脾(腸)の機能を高める漢方薬の基本中の基本処方でもあります。
 
古典的な漢方家の中には、脾をすべての治療の原点と考える流派もあります。まず、脾の機能を整えることが治療の土台になる、という理論を基盤にしています。それはあたかも、枯れた葉を再生させるために根っこを強くする手法と言えるでしょう。
 
Yさんの三大健康法は、人体の「根っこ」をしっかりさせる、誰にでも容易にできる方法の一つです。