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SAT療法(エスエーテイー)

不自然な生き方がガンを生む!

SAT療法(Structured Association Techinique:構造化連想法)は1995年に開発された比較的新しい心理療法(かつ心身療法でもある)です。開発者は筑波大学大学院教授 宗像恒次先生です。

SAT療法は、「ガン克服に重要な免疫防衛力や遺伝子防衛力は、患者さん本人の人生に向き合う態度や考え方、それに伴う行動と深く関わる」という前提のもとに、患者さん自身が生き方や行動を変えていくのを支援するものです。

宗像恒次先生によれば、とくにガンに影響を与える「執着気質」と「不安気質」を変えていくことで、患者さん自身が本来の自分を取り戻し、免疫防衛力や遺伝子防衛力が改善します。

SAT療法の原理は著書「健康遺伝子が目覚める がんのSAT療法」にこう書かれています。

「SAT療法では、クライアントとの対話によって得られる『言語情報』だけでなく、身体症状や顔表情、動作、さらには血液検査値、遺伝子検査値など身体に現れた『身体情報』を重視します。身体情報には、言語情報として意識化できない潜在情報が含まれているからです。そして、それらの情報を手がかりに、クライアントが直面している問題の原因をいったん外在化させ(がんになったのは自分のせいと自分を責め、治ることをおきらめているか、自分を許さないというケースもあるので、問題をつくり出している原因を自分以外に求める)、その後に、あらためて問題を内在化し(自分で解決すべき問題として向き合う)、その問題を解決するための行動変容を支援するという手順を踏んでいきます」

SAT療法は血液検査データをチェックしながら免疫防衛力と遺伝子防衛力を高めていきます。SAT療法では免疫と遺伝子に関する指標の一例は下記のように設定されています。

免疫防衛力
・白血球中のリンパ球数 2000/μl
・リンパ球比率 35~41%
・NK細胞活性率 30~70%

遺伝子防衛力
・p53、RB、BRCA、RUNX3という4つのガン抑制遺伝子がオン(ON)の状態になる

これらの指標をクリアし、腫瘍マーカーが改善し、画像診断・組織検査においてガンが消失、縮小、進行停止を目指します。

今までの研究によると、ガン抑制遺伝子がオン(ON)になるのは、「自分は生きる価値がある」「愛し愛される家族や人がいる」という生命体としての私たちが望むイメージを持てることのようです。

宗像恒次先生は、p53、RB、BRCA、RUNX3の4つのガン抑制遺伝子を「愛の遺伝子」と呼んでいます。4つのガン抑制遺伝子が発現させるのが「愛」だからです。以下発現パターンです。(「健康遺伝子が目覚める がんのSAT療法」より)

◆p53
「人を愛したい」欲求が満たされるとオン(ON)
あらゆる部位のがん細胞の分裂を停止させ、がん細胞に通じる血管が新たに生まれるのを抑制する「積極愛遺伝子」。親を許し、愛することや、家族など重要他者を愛することで発現する傾向を持つ。

◆RB
「自分を愛したい」欲求が満たされるとオン(ON)
あらゆるがんに関係しているが、特に眼、膵臓などのがんと関わりが深い。人の評価を気にせず、あるがままの自分を愛し、自分に自信がついてくると発現する「自己愛遺伝子」。

◆BRCA2
「人に愛されたい」欲求が満たされるとオン(ON)
乳がんや卵巣がんなど、女性特有のがんに深く関係している「受動愛遺伝子」。大切な人に愛されている確信を持つと発現する傾向を持つ。

◆RUNX3
「自分を愛し、人を愛する」見通しが立つとオン(ON)
胃がんや十二指腸など消化器系のがんに関係している「愛コヒアレンス遺伝子」。自分を愛し、人を愛する見通しが立つと発現する傾向を持つが、見通しは状況しだいというところがあるため、オン・オフを繰り返すケースもある。

ともすると患者さん自身が気づかない心の奥深くにある「わだかまり」を克服し自分らしく生きることができると、ガンを発生させていた“不自然さ”が解消されていくのかもしれません。

「健康遺伝子が目覚める がんのSAT療法」には具体的な事例も紹介されていますので、興味を持たれた方は是非ご一読ください。