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胸腔鏡治療(きょうきゅうきょうちりょう)

開胸しない肺ガン手術
体腔鏡手術の一つ。胸腔鏡という胸の中を見る(検査でも使われる)内視鏡を使って行なう手術です。自然気胸や肺良性腫瘍、原発性肺ガン、転移性肺ガンなどの治療に用いられます。肺ガンの場合は、末梢型肺ガン(肺野部)で他に転移のない早期の肺ガンが対象になります。
 
【肺ガン胸腔鏡手術の手順】
 
1.全身麻酔または局所麻酔を施す
2.患者さんの腋の下に2cmほどの穴(ポート)を開け胸腔鏡を挿入する
3.胸の中を胸腔鏡のビデオカメラの映像モニターで観察する
4.ガンを確認し、手術する位置に2~3箇所穴(ポート)を開ける
5.手術器具を挿入してガンを切除する
 
胸腔鏡手術のよいところは、手術の傷が小さく、開胸手術に比べ患者さんの負担が少ないことです。よって、回復が早く、入院期間も短くてすみます。ただし、ガンが大きい場合、病巣が見えにくい場合は胸腔鏡手術だけではやりきれません。また出血がある場合の止血がしにくいという短所があります。
 
2006年調査では、年間50例以上の肺ガン手術実施医療機関で、開胸手術62%、胸腔鏡手術38%となっています。胸腔鏡手術を受けるなら、年間50例以上手術している病院が望ましいとされています。