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超高濃度ビタミンC点滴療法(ちょうこうのうどのうどびたみんしーてんてきりょうほう)

ビタミンCでガン退治!
ビタミンCは、美容(美肌・美白)や抗老化(アンチエイジング)に役立つということで馴染みのある身近なビタミンです。日頃の食卓に出てくる食べ物にもビタミンCを含むものはたくさんありますね。そのビタミンCを大量に体内に摂取することで、ガンを治療しようというのが「超高濃度ビタミンC点滴療法」です。

1960年代にライナス・ポーリング博士(化学者 ノーベル賞受賞)はそのビタミン研究に基づき、「メガビタミン主義」を提唱しました。多量のビタミンCによる健康増進とともに、ガンへの応用を発表したのです。

それからかれこれ約40年・・・2005年 アメリカ国立衛生研究所(NIH)が、「高濃度ビタミンC点滴はガン細胞にのみ選択的に毒性として働く=ビタミンCに抗ガン作用がある」と発表し大きな注目を浴びました。ガン手術後の再発防止や補助療法として、アメリカ国立衛生研究所(NIH)、アメリカ国立ガン研究所(NCI)えをはじめ、多くの研究者や臨床家が超高濃度ビタミンC点滴療法に取り組み、昨年頃から日本でもこの療法を採用する医師が増えてきました。

ビタミンCの抗ガン作用は次のように考えられています。

ビタミンCという物質は、実は糖(グルコース)に似た構造をしています。糖が大好きなガン細胞は、活発な活動をするために糖をたくさん必要とします。そこで血液中に大量(高濃度)にビタミンCを入れておくと、ガンはどんどん取り込みます。この時、血管の外に出たビタミンCは酸化されて、毒性を持つ過酸化水素という活性酸素を発生します。細胞を殺す力のある過酸化水素に対し、正常細胞はカタラーゼという酵素で中和できます。一方、ガン細胞はカタラーゼが乏しいので中和できず過酸化水素の毒によって死滅するのです。

それでも、大量にビタミンCが血液中に溢れていれば、正常細胞にも影響があるのではにかと心配する方もいらっしゃるでしょう。ところが、正常細胞は自分に必要な量だけビタミンCを取り入れるようコントロールできますが、ガン細胞はコントロール能力が異常なため、ガツガツ取り入れてしまいます。

つまり、正常細胞を傷つけることなく、ガン細胞だけを攻撃できる療法なのです。

超高濃度ビタミンC点滴療法は点滴で体内に入れます。ビタミンCをサプリメントや食品で飲んでも、抗ガン作用を発揮するほどの血中濃度に至りません。

超高濃度ビタミンC療法は、通常の抗ガン剤とは大きく異なり、副作用がないことが最大の特徴です。抗ガン剤との併用も可能です。抗ガン剤による副作用を抑える効果もあります。アメリカでは乳ガン、肺ガン、前立腺ガン、直腸ガン、悪性リンパ腫、大腸ガン、膵臓ガン、膀胱ガン、腎臓ガン、子宮ガン、卵巣ガンなどへの治療効果が報告されています。

医療機関によれば、次のような方が対象になるようです。

・これから手術を受けられる方
・手術後の再発予防を希望される方
・ガン治療中の方
・有効な治療法がない方
・抗ガン剤、放射線治療で効果が出ない方。
・ガンリスクを下げたい方

また、下記のような方は適用外といわれています。専門医によくご相談ください。

・腎臓機能が低下している
・透析している
・栄養状態が悪い、衰弱している
・脱水状態
・腹水がある