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分子標的薬(ぶんしひょうてきやく)

ガン特有の分子だけを標的にする!
【作用および副作用】
従来の抗ガン剤が、ガンだけでなく正常な細胞も含め全身に毒を散布するのに対し、分子標的薬はガンだけに顕著な分子を標的に治療する抗ガン剤です。具体的には、ガンを増殖させる困った遺伝子自体やその遺伝子が作らせるタンパク質の分子がターゲット(標的)になります。

ガンに関連する特殊な分子のみを標的にするので、正常に機能している細胞への影響が少なく、従来の抗ガン剤のような副作用がないといわれています。しかしながら実際には当初の想定より副作用は発現しています。分子レベルの作用だけに、今までの抗ガン剤とはやや傾向の違う副作用の出方をするケースもあるようです。そういう意味では決して、夢の抗ガン剤ではありません。

また、分子標的薬といえど耐性(ガンが薬に慣れてしまい効きが悪くなる)の問題もあります。ただし耐性のメカニズムを分析できれば、的確な使用方法を選択する目安にもなります。

【分子標的薬の種類】
■血管新生阻害薬・転移抑制薬
■シグナル伝達阻害薬
■細胞周期調節薬

【代表的な薬剤】
グリベッグ、イレッサ、ハーセプチン、アバスチン、エンドスタチン、サリドマイド
(国内で保険薬として未承認のものを含む)