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がん免疫力を高めて予防し進行を遅らせる

2009/01/10

23年間、肺がんの治療にあたる(こんどうかずや 徳島大学医学部教授)より記事を抜粋して表記

抜粋本掲載(聖教新聞2008.2月10日)より

  

現在、1年間に約30万人がんで亡くなってます。3人に一人はがんでなくなっていることになります。

昨年4月に施行された「がん対策基本法」は、がん患者の意見が強く反映され、今まで不十分だったがん

患者の「心のケア(看護、介護)」にも、真剣に取り組むことをうたっています。

さて癌対策は、

①がんにならないようにする(1次予防)

②がんの早期発見・早期治療(2次予防)

③手遅れの場合でも、がんで苦しまない(3次予防)

以上3つあります。

イギリスのリチャード・ドール博士(免疫学者)らは、すべてのがんの原因のうち、約35%は食事、約30%は

喫煙、約10%はウイルスや細菌などの慢性炎症に関連する。と考え

この3つに注意することで、がんの4分の3の原因は防ぐことができると述べています(一次予防)

がん細胞は1個誕生して指先大のがんに成長するのに、数年以上かかります。

その間に、がん細胞は悪性化していきます。

 

ですから、「がん検診」を受診することにより、がんの早期発見、早期治療を進め、がんで亡くなる人を

減らすことができます(2次予防)

しかし、がんは進行した状態で発見されることも多く、手遅れの場合でも、亡くなるとき苦しまないこと

(3次予防)が、大切になってきます。

私は呼吸器外科医として23年間、肺がんの患者さんの治療に当たってきました。2年前、徳島大学の

「がん診療連携センター長」に就きました。がん全体の診察、チーム医療の重要性に気づき、現在がん専門

看護師など、がんの看護のスペシャリストを育成する体制を作っています。徳島大学病院・呼吸器外科の

の一員として、外来・手術も行っています。

さまざまな患者さんと接してきましたが、印象に残るお一人に、Aさんがおられます。

             術後2年、肺転移で再発したAさんに、さまざまな化学療法を行いました。

効果があった抗がん剤の投与も10ヶ月で効果がなくなり、次の抗がん剤の投与を行うという経過でした。

 

現在最初の手術から9年たっていますが、Aさんはがんと共存し、外来で治療を続けています。

治療に積極的で、明るく、楽観的な性格のAさん。毎年、クリスマスに我が家を何千個ものイルミネーション

で飾り、地域の人にとっても楽しいイベントになっています。

 

 

 

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