ナチュラルキラー細胞 がん細胞を破壊
2009/01/10
最近、免疫細胞にがん細胞を破壊するいくつかの細胞があることがわかってきました。
特に、ナチュラルキラー細胞は文字通り”殺し屋”の意で、殺傷力が高く、常に体内をパトロールし、癌細胞や
ウイルス感染細胞を見つけると、直接殺してしまします。
健康な人の体内では、毎日数千個(フランク・バーネット説)ほどのがん細胞が生まれていますが、
ナチュラル・キラー細胞など免疫機構が正常に働いていればすぐ摘みとられ、即癌になることはない
と言われています。
さらに、神経系・内分泌系・免疫系の間にある神経伝達物質、ホルモンなどいろいろな物質の存在や働き
が解明され、これらが相互にバランスよく影響しあって、生体の正常な状態を保っていることが明らかに
なってきました。
例えば、ストレスは脳下垂体のホルモン(ACTH)の分泌を促進し、副腎からのコルチゾールの産出を促進
させるのです。
このコルチゾールは生体の免疫を低下させることがしられています。
慢性的ストレスによる倦怠感、身体的損傷は免疫不全をもたらしナチュラル・キラー細胞の活動は抑えられ、
がんなどの進行が加速されます。
カナダの生理学者のハンス・セリエは述べています
ストレスには老化を早めるストレス、臓器を痛めるストレスなど、悪いストレスがある。それを「デイ(有害)ストレス
」といい、他方に良いストレス「ユー(有益)ストレス」がある。
また、アメリカの心理学者マデロン・ビジンテイナーは、”精神的ストレスとがんとの関係”を動物実験で
調べました。
ネズミを訓練し、電気刺激を与えたときにレバーを押せば電気刺激が切れるという学習をさせました。
A群....全然、電気刺激を与えないグループ
B群....電気刺激を加えたとき、レバーがなく電気刺激を切ることができないグループ
C群....電気刺激が起こると自分でレバーを押して電気刺激を切ることができるグループ
それぞれのネズミにがん細胞を作り、どのくらい生きるかをみました。
その結果C群最も長生きし、A群、B群と続きました。
ネズミの血液を採取しナチュラル・キラー細胞の活性を調べると、C群が最も高く、A群、B群とつづきました。
困難に懸命に対処するネヅミ(C群)はナチュラル・キラー細胞の活性が高く、寿命も長かったのたいして
絶望感に陥るネズミ(B群)は活性が最も低く、寿命も短かった、というのです。
「デイストレス」は免疫力を低下させ「ユーストレス」は免疫力を高め、癌の進行を遅らせる効果があることを
証明する実験でした。
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